画面の向こうの、

観終わったときに書くところ。ネタバレがあったりします。

「残酷で異常」

妻を殺した男がその日をループし続けて
最初は何があったのかわからなかった事が徐々に明かされ、
それにつれて男の心境が変化したり、
というまぁよくあるループものという感じ…?

どうも、ご都合主義が否めない…
妻メイロンとドリス、なんで出会ってるの?
花を手向けられるような、そんな近い環境なの?
結局のところループは脱せないの?とか…

あのグループセラピーな設定で
もうひと捻りあるのかと思ったら
けっこうすんなり終わった…
「準備」が出来たらどうなるのか、気になる。

最初タイトルで(当然)惹かれて
Amazonのレビューをみたらやたらと高評価だったけど
そんな、そんな絶賛するほどでは…
低予算ならではな雰囲気は好きだし、
いちおうまとまってる話もまぁまぁだけど、それだけ…

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2.9/5.0
監督:マーリン・ダービズビック
2014年のカナダ映画

「禁じられた遊び」

戦争で親を亡くした少女に
気に入ってもらおうと墓作りするお話

本当のお墓や教会から十字架を盗んだりすることが
それは本当は悪いことだってわかっていても
ポーレットが望むがままにふたりだけの墓地を作ったのに
ポーレットはそれを見ることなく孤児院に引き取られていく

ポーレットは幼すぎて
墓や十字架、もちろんその根底の生命すら知らず、
ただ純粋に「欲しい」
そしてそれを叶えたいだけのミシェル

この映画をみる大人たちは、
墓を穢すこと、小動物の命を奪うこと
そこに何らかの感情が芽生えるから
なんだか難しい感想になるのかもしれないけど
私にはとてもそんな風に思えない…

「男って、何歳からでもこうなのね」としか…

ミシェルは、もしかすると
大人になってもずっとこの事を忘れないかもしれない
映画後はきっと大人たちに怒られ、大変な目に遭うかも。
でもポーレットはきっとまた誰かに拾われ、
それがよい大人だったらいいけど、
正しく教育されないなら、大人になっても根底は変わらず
男たちに我儘を言っては、すぐ忘れると思う
ミシェルのことなんて、すぐ忘れると思う。

反戦映画という評価?ジャンル?そういう声らしいけど
全然そんな風には思えない…
強いて言うと教育の大切さ、はあるかもしれないけど
戦争なんか無くたって、実親に育ててもらったとしても、
大人たちに教育してもらえないこの環境なんて十分在るだろうし
反戦?うーん…戦争という時代の中の話ではあるだろうけど。

それにしても、ポーレットのかわいさ!
白黒の映像の中でも、金髪と瞳がきれいなのがわかる…

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3.3/5.0
監督:ルネ・クレマン
1952年のフランス映画

「地獄少女」

思ってたよりもちゃんと「地獄少女」だった…!

閻魔あいがちゃんと閻魔あい
思わず彼女の素の声、話し方を調べてしまった。笑
やはりアニメのものを相当勉強したそう。すごい。
そもそも記者会見とかでは洋風なお顔立ちのようにみえるのに、
映画中ではちゃんと和風な、着物の似合う閻魔あいに見える…不思議

三藁もちゃんと存在感のある、けど変に主張しすぎない、絶妙さ
輪入道のひと、かっこよすぎない?と思ったら舞踏の人らしい…
どおりで質がちがうわけだ…笑
キル・ビルにも出てるらしい。さすがに覚えてない…。

ストーリーが映画全体としてまとまってて、
ただ単に地獄流しをやりましょう、みたいな感じじゃなく
ちゃんとアニメとかみたいな胸糞悪い感じがあってよい
呪った相手の身内に呪い返されて~って話は
そういえばアニメでもみた気がするなぁ、恐ろしい、と思い出したり。

糸を引く前に地獄を体験するのは、
少なくともアニメでは無かった気がするけど、
そのシーンのおかげで地獄の怖さ、呪いの恐ろしさが味わえる

そしてその地獄シーンの、白石ワールド色!笑
べつに原作を壊すような雰囲気では無いかと思うんだけど、色味がね。笑
記者の工藤仁という名前も相まって笑ってしまう。
車で拉致…もちょっとかけてるのかな?
白石映画ファンへのこっそりプレゼントのようなうれしさ。

残念なのが、ライブシーンの歌の下手さ…
(あ、閻魔あいの歌は除く。ライブのシーンの話)
歌う役の人がみんな音痴!何でみんなあんな声震えてるの!?
そもそもV系的な歌い方だけはどーしても苦手なのもあって
ちょっと興醒め、苦痛感が…。もう少し短くても良かった。
お金掛かってるんだろうけど。笑

多分、多分なんだけど
「呪ってやる」って憎しみを込めて発言するのが
ラストの主人公だけで、それがすごく良かった
大トリなんだなぁという箔が付くというか。
それにしてはもう少しマキが苦しむシーンがあってもよかったのかも?

あとそういえば「この恨み…地獄へ流します…」が無くて残念!
水とか船とか面倒なのはとてもわかるけど…。
エンドロール後に「いっぺん死んでみる?」が流れたけど、
台詞だけなら「流します」の方がゾクッとしたかも。
(どうでもいいけど地獄少女のアニメなんて見たのかなり昔なのに、
けっこう覚えてるもんだなぁ)

なんか話がちゃちぃって酷評だけど
原作(ほんの少ししか読んだことないけど)もアニメもこんなもんじゃない?
話自体に文句を言うのはさすがに思い出補正かけすぎでは。
原作知らない人はしょーがない。地獄少女はこんなもんよ。

そもそも話に深さを求めるだけが映画ではなくて云々……
しかもそれ言ってる大多数の人の高評価映画は云々……

そりゃあ名作だ!とはならないかもしれないけど
漫画実写化映画としてかなり良い方だと思うし
映画単体でみても(ライブシーン以外は)良かったと思う

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3.4/5.0
監督:白石晃士
2019年の日本映画