画面の向こうの、

観終わったときに書くところ。ネタバレがあったりします。

「マローボーン家の掟」

鏡をみてはいけない、
天井の染み、物音、
何かがいる気配、おばけ
視線で語る何かへの恐怖
だからって序盤は何か起きるわけでもなく、
それがぞっとして、引き込まれる

美しい田舎の小さな町の、
さらにはずれにある古い家、という雰囲気が良くて、
またその家に住む兄弟たちが心身共に美しくて。

だからこそホラー部分が引き立つ。
本当は何があったのか?という疑問の輪郭がくっきりする。

ジャックのおでこの傷はもちろん、
ジャックを真ん中にして、左右にビリーとジェーン
という立ち位置の口論が2回ほどあったりして、
うっすらと違和感を感じていたら
アリーへ明かされる、「our story」

あぁ、アリー、なんていい子なの!
この時点でも美しい心の持ち主なのに、
結末よ…。棚に置きっぱなしの薬に涙が出ちゃう。

後から思い返せば、
あの台詞もあの台詞もあの台詞も…。

納得いかないだとか、話が読めすぎるとか、
そこに至るまでつまらないとか
話の辻褄があってないだとか、
恋愛パート要らないだとか、
そんなこと言うやつらはナンセンス!
穿ったミステリー好きにはそうかもしれないけど
絶対もっと、広くオススメできる映画。
だいたい、恋愛パートが無いと
この映画成り立たないと思うんだけど。

適度に恐怖を感じて、美しい映像を楽しめて、
物語に引き込まれ、ラストは後味悪くない。

好きだなあ…。

まぁ掟がどうこうを期待してみると駄目かも?
_________________

4.1/5.0
監督:セルヒオ・G・サンチェス
2017年のスペイン映画