画面の向こうの、

観終わったときに書くところ。ネタバレがあったりします。

「地獄少女」

思ってたよりもちゃんと「地獄少女」だった…!

閻魔あいがちゃんと閻魔あい
思わず彼女の素の声、話し方を調べてしまった。笑
やはりアニメのものを相当勉強したそう。すごい。
そもそも記者会見とかでは洋風なお顔立ちのようにみえるのに、
映画中ではちゃんと和風な、着物の似合う閻魔あいに見える…不思議

三藁もちゃんと存在感のある、けど変に主張しすぎない、絶妙さ
輪入道のひと、かっこよすぎない?と思ったら舞踏の人らしい…
どおりで質がちがうわけだ…笑
キル・ビルにも出てるらしい。さすがに覚えてない…。

ストーリーが映画全体としてまとまってて、
ただ単に地獄流しをやりましょう、みたいな感じじゃなく
ちゃんとアニメとかみたいな胸糞悪い感じがあってよい
呪った相手の身内に呪い返されて~って話は
そういえばアニメでもみた気がするなぁ、恐ろしい、と思い出したり。

糸を引く前に地獄を体験するのは、
少なくともアニメでは無かった気がするけど、
そのシーンのおかげで地獄の怖さ、呪いの恐ろしさが味わえる

そしてその地獄シーンの、白石ワールド色!笑
べつに原作を壊すような雰囲気では無いかと思うんだけど、色味がね。笑
記者の工藤仁という名前も相まって笑ってしまう。
車で拉致…もちょっとかけてるのかな?
白石映画ファンへのこっそりプレゼントのようなうれしさ。

残念なのが、ライブシーンの歌の下手さ…
(あ、閻魔あいの歌は除く。ライブのシーンの話)
歌う役の人がみんな音痴!何でみんなあんな声震えてるの!?
そもそもV系的な歌い方だけはどーしても苦手なのもあって
ちょっと興醒め、苦痛感が…。もう少し短くても良かった。
お金掛かってるんだろうけど。笑

多分、多分なんだけど
「呪ってやる」って憎しみを込めて発言するのが
ラストの主人公だけで、それがすごく良かった
大トリなんだなぁという箔が付くというか。
それにしてはもう少しマキが苦しむシーンがあってもよかったのかも?

あとそういえば「この恨み…地獄へ流します…」が無くて残念!
水とか船とか面倒なのはとてもわかるけど…。
エンドロール後に「いっぺん死んでみる?」が流れたけど、
台詞だけなら「流します」の方がゾクッとしたかも。
(どうでもいいけど地獄少女のアニメなんて見たのかなり昔なのに、
けっこう覚えてるもんだなぁ)

なんか話がちゃちぃって酷評だけど
原作(ほんの少ししか読んだことないけど)もアニメもこんなもんじゃない?
話自体に文句を言うのはさすがに思い出補正かけすぎでは。
原作知らない人はしょーがない。地獄少女はこんなもんよ。

そもそも話に深さを求めるだけが映画ではなくて云々……
しかもそれ言ってる大多数の人の高評価映画は云々……

そりゃあ名作だ!とはならないかもしれないけど
漫画実写化映画としてかなり良い方だと思うし
映画単体でみても(ライブシーン以外は)良かったと思う

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3.4/5.0
監督:白石晃士
2019年の日本映画