画面の向こうの、

観終わったときに書くところ。ネタバレがあったりします。

「禁じられた遊び」

戦争で親を亡くした少女に
気に入ってもらおうと墓作りするお話

本当のお墓や教会から十字架を盗んだりすることが
それは本当は悪いことだってわかっていても
ポーレットが望むがままにふたりだけの墓地を作ったのに
ポーレットはそれを見ることなく孤児院に引き取られていく

ポーレットは幼すぎて
墓や十字架、もちろんその根底の生命すら知らず、
ただ純粋に「欲しい」
そしてそれを叶えたいだけのミシェル

この映画をみる大人たちは、
墓を穢すこと、小動物の命を奪うこと
そこに何らかの感情が芽生えるから
なんだか難しい感想になるのかもしれないけど
私にはとてもそんな風に思えない…

「男って、何歳からでもこうなのね」としか…

ミシェルは、もしかすると
大人になってもずっとこの事を忘れないかもしれない
映画後はきっと大人たちに怒られ、大変な目に遭うかも。
でもポーレットはきっとまた誰かに拾われ、
それがよい大人だったらいいけど、
正しく教育されないなら、大人になっても根底は変わらず
男たちに我儘を言っては、すぐ忘れると思う
ミシェルのことなんて、すぐ忘れると思う。

反戦映画という評価?ジャンル?そういう声らしいけど
全然そんな風には思えない…
強いて言うと教育の大切さ、はあるかもしれないけど
戦争なんか無くたって、実親に育ててもらったとしても、
大人たちに教育してもらえないこの環境なんて十分在るだろうし
反戦?うーん…戦争という時代の中の話ではあるだろうけど。

それにしても、ポーレットのかわいさ!
白黒の映像の中でも、金髪と瞳がきれいなのがわかる…

_________________

3.3/5.0
監督:ルネ・クレマン
1952年のフランス映画