画面の向こうの、

観終わったときに書くところ。ネタバレがあったりします。

「マーターズ」

最近は再視聴映画について、
わざわざ記録してないこともたまにある気がするけど、
これはやっぱり書いておかないといけない。


大好きだ。

大好きな、私の大好きな映画TOP5に入るこの映画が
4Dリマスターで上映されるとのことで、みてきました。


もともと映画館へ行く習慣がなく、
というか数年前まではこわくて行こうと思えず、
近年?ようやく白石映画を目当てに主人と行ったりし始めたのだけど

ついに!ひとり映画館でびゅーできました!
というか大好きすぎてあまり何も考えず直ぐチケット取っていた。
なんて健康になったの、私…笑

しかも行った映画館が昔ながらのライブハウスのような、
壁一面なにかのフライヤー、謎のステッカー。
そして、マーターズのあの椅子の再現!!
行ってよかった素晴らしい空間だった、ありがとうシネマート新宿さん。


さて。

大音量の絶叫、逃れられない暴力、支配する恍惚。
もうほんっとに好き。

いい映画だなあ、としみじみと…

場面転換が本当に凄い。
むかしの私も書いてるけど、これぞ二転三転。衝撃の結末。


いままであまり感じてなかったけど、
この映画って一切のエロを徹底的に排除しているのね。
もちろん少女への暴力ってだけで一部の人には刺さってしまうけど
それでも、「それを意図して」つくられた映像ではないんだなぁ、と。

あと最近は何かと厳しくなってるイメージだから
今では序盤の一家殺害で娘のシーンとか描けなさそう。
いやそんなこと言い出すとぜんぶか…


あまり期待はせずに買ったパンフレットに
公開当時の監督インタビューが載っていて、それによると
序盤の一家殺害のシーンから構想が始まったとのことで、びっくり。
このオチや、組織や、そういうものが描きたくて書いた話だと思ってた…

ラブストーリーの側面もあるけど、孤独についての映画だ
という話にはすごく納得。
むしろラブストーリーだなんて思ったことはなくて、
だからポスターとかは2人が描かれてるの!?ってようやく気付いた。笑

お風呂場のシーンで、むしろリュシーはアンナをそういう意味では拒否してるし、
誤解やすれ違いではあるけど、アンナにも否定されてるって思ってるし。

ひとりぼっちの世界のなかで、
幻覚にある種で縋ってしまうリュシーの孤独と
リュシーに縋ってしまうアンナの孤独と


今回4Dリマスターされたっていう流れで
新しい円盤発売されたりしなかなああ
ぜひ手元に置いておきたい一作なんだけど…


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再視聴映画

「ひつじ探偵団」

Xで「映画好きに見て欲しい」「ミステリー好きに見て欲しい」
などと話題になっていて、このタイトルとサムネで?と気になり視聴。

その前評判通りのきれいな作品だった!


ご主人を殺されたひつじたちが、真犯人を捜す
ストーリー的には良い意味でそれだけなんだけども、
コミカルでキャッチーなキャラクターたち(人間も含む)、
ポップな色合いと台詞のひとつひとつが絵本のよう。


そして「いやな記憶を3秒で忘れる」という深すぎる設定…
忘れたフリをする、とかではなく、完全に「なかったことになる」
そしてそれをしない、群れでたった一匹「憶えている」ひつじ。あぁ…

私たち人間は多かれ少なかれいやな過去の記憶があって
時にそれにとらわれ、時にそこから学んで生きていて
ではそれが総て無かったら?
ひつじたちのように呑気に生きられるのだろうか
大事なものも忘れてしまって?あぁ、大事なものを私は抱えているのだな…

とかなんとか、つい考えてしまう、
かなりメッセージ性の強い、哲学的な設定。
原作からある部分なのかわからないけど、すごい…。


そして、「いやな記憶を消さずに向き合う」と決めるひつじたち。

いやもう泣ける。
まだ映画の冒頭と言える部分なのに!笑


もうひとつ、ひつじたちには大事な教えがありますね
「ひつじは雲になる」…何も言うまい。


どうにかこうにか捜査が進んでいくのも、
ずーっとユーモラスでかわいい(人間含む)。

そして色んな伏線をきちんと丁寧に拾ってくれ、
きれいにまとまる。ミステリー小説にように!
私はあんまり古典的なミステリー小説を読んできてないのだけど
定番のものを沢山読んでるひとはもっと楽しめるのかも?

トリックやら動機やらはそんなに凝ってないし、凝る必要もなく、
でも考えずにミステリー見るタイプの私は
わりと最後まで「?」となりながら見られて非常に楽しかったです


もふもふのひつじたちは流石にCGだけど、
変な違和感もなく、ひたすらかわいい。
さっきもチラッと書いたけど
映画全体の色彩が絵本のようにまとまりがあるので
完全なるファンタジーとしてただただ楽しめる。


まさに大人も子供…と言っても小学生以上くらいかな?
家族みんなで安全に楽しめて、それでいて学びや気付きも多い、
これぞ家族向け映画
いや、前評判通り、映画好きやミステリ-好きにも。
でも誰かと見る方が楽しいかも。

個人的に泣きそうになったけど、それでも気軽~に見られます。オススメ!


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4.0/5.0
監督:カイル・バルタ
2026年のアイルランド、イギリス、ドイツ、アメリカ映画

「リターン・トゥ・サイレントヒル」

この映画を語る上で、
サイレントヒル2ありきでの話と
そのことを一旦忘れて映画単体での話と
視点がどうしても2つ必要なんだけど、どちらから書こうかな…
って書いてて、そんなことが必要な時点でだめな気がしてきた

私はSH2を自分ではプレイしてないんだけど、
実況などみて大まかに話とかは知ってるくらい。


まず

最初8分くらいみて、「あ、やっぱやめとこうかな」って中断したのよ、珍しく。笑

青空、オープンカーでイケイケロック(死語)、タバコ、
あぁホラー映画始まりあるある第三者モブかな?と思ったら
こここ、これがジェイムス!?
しかもなんか酒場で飲んだくれて八つ当たり自暴自棄!?

ジェイムスはもっと、陰鬱で、悲壮感あって、
己すら自覚してない多様な欲望が内側に渦巻いてないと…。
じゃないとあのサイレントヒルは生じないわけじゃない?


でも、わかった、SH2のことを忘れてみればいいのね、って
なんとか頑張ってみたんだけど

映画単体としてみても、まとまりがなさすぎる。

特に後半、主人公の混乱と、幻覚と追体験と記憶と、
そういう表現であえてごちゃまぜにしてるのはわかるけど
それはそれでいいけど、結局肉体はどこにあるの?って
私の理解が下手なだけなのかな…
あと一部演出がダサい。お互いの顔が交互に映るやつとか。

結局ラストはin waterだったけど(不要な要素がくっついてたけど)
メアリーの死体はずっとどこに??
カウンセラーの発言によると、「カウンセリングは1年以上」
メアリーは「数か月前になくなってる」
(ここの矛盾も意味不明で気になるんだけど、
 千歩譲って誤訳かもしれないから一旦置いておいて。)

少なくとも現実世界で数か月経っててこのエンドはちょっと…
サイレントヒルという町ならなんでもあり、で片づけるには美しくない。
あとオープンカーで入水しても…浮いてきそうでやっぱり美しくない。笑


そもそも、冒頭8分のジェイムス像への違和感に戻るんだけど、
このジェイムスがこんなにメアリーに執着する気がしない。
さっさと酒場で違う女抱いてそうじゃない?それが憂さ晴らしでも。
メアリーのことを好きである説得力がない。

SH2だとマリアとジェイムスは全然「お似合い」じゃなくて
ジェイムスも(表面上は)全然好みのタイプじゃないから
その違和感と、マリアのうざさ、男の欲望、みたいなのがよいのに
今作のマリアとジェイムスは全然似合ってしまうのよ…笑
まあ、それはそれで、今作はマリア=メアリーだからいいのか…


この辺は謎のカルト要素も悪影響で
この映画だけをみると、
「彼女がカルト二世でドン引きして喧嘩別れしたけど
 毒に倒れた彼女の希望で殺してあげました」って感じなのよね…
SH2の、本当は愛してるはずなのに、病に心身共に侵され、
なにもわからなくなっていく介護の切なさはゼロ
だから余計に「ただの失恋」感が否めないというか…

それでいて、in water後の不要なループ!
あれが幻覚だとしても、実際に起こったループだとしても
どっちにしても好きじゃない。やっぱ美しくない。
それならいっそ前作「サイレントヒル」みたいに囚われたループでもよかった。

か、解釈としては、
中盤にカウンセラーに連れ戻された現実の病院で
ずっとずっと夢をみてる、っていう考え方もできるけど
(これだと、自分と、メアリーの死体どこ?も解決する)
それならそれでもう1シーンは欲しい。


前作、あぁ。
前作はなにが嚙み合ってあんな神映画になったのかしらね。
なにが噛み合わなくてこんなになってしまったのか。
製作費が半分くらいしかないらしいけど、そういう問題なのか。

裏世界やクリーチャーは前作でも出てたから
少なくともそれ以上のものをみせないといけなかった。

けど、どうしても前作の劣化版。
裏世界はなぜか血と錆のにおいがしないし
クリーチャーの気持ち悪さも前作の方が上な気がする…
あの酸を吐いてくるやつとか、ナースの大群とか、
前作の劣化焼き直しすぎて…もっとどうにかできなかったのか。
三角様の重厚感もあんまりない、なんかダサい。
なんかこう絶望感?悲壮感?みたいなのが足りない…
そもそも特に意味なさそうな虫モチーフ多いのが、うーん…
もっと神経を逆撫でする気持ち悪さが欲しい。
まぁこの辺の美術面は製作費の影響をモロに受ける部分だと思うけど…

あとひとつ前作と比較してしまうと、
なんかこうゲームしてる感じがない。
もちろん通路とか景色とかはお得意の通りゲームを踏襲してるらしいけど
前作は「次にここに行く」「このヒントを手にいれた」
「このアイテムを手に入れた」「このアイテムが使えなくなった」とか
なんかゲームしてる感がちりばめられてたのよね。
無意識にこれを期待してしまってたから、かなり残念。しょうがない。


アンジェラ、ローラ、マリアみんなメアリーでした、
っていう改変はまあべつに違和感なく受け入れられるかなあ。
そうだとしたら、ローラが抱えてる人形は
虐待を受けてた中で流産した子なんだろうなあ、とか。
この辺はすごく良いんだけど、
ローラが不健康ぼさぼさ少女になってるのはいまいち。
あとアンジェラの演技だけ前作の雰囲気があって好き。

ただこのせいで、エディはなんだったの!?っていう…
まぁでもあの原作愛監督としては出さないわけにもいかない

性的虐待、壁の抜き差し棒あたりも絶対やりたかったんだろうなあ
と思いつつも、SH2は全体的にほのかに性要素を散りばめてるからまとまるんだけど
この映画だとなんかいきなりそういう要素がガツンと前面に出てくるから
ううん、クリーチャーをもっとエロくしてくれ…?

ちゃんと三角様のあのシーンやるんだ!
と思ったらなんか期待外れで。
いや、あの、お尻強調されても、そうじゃなくて…


あと気になったのが、
サイレントヒルに現実世界にあるクラッシック曲に合わなすぎる!
なんか思い出の曲的な感じで随所に流してきてたけど
山岡晃さんが音楽やってるって話はなんだったのか。


そもそも日本上映が切られた時点でお察しだったし
さんざん悪評をみて心の準備をしてから見始めたけど
それでも、なかなか擁護できない、
「原作マニア」がよろこぶための要素が微々にしかないような…
それならそれで、せめて3Dのようにコスプレは完璧にして欲しかった

いや、でも、
クリストフは頑張ったんだよなあ、というのはひしひし伝わりはする…


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1.5/5.0
監督:クリストフ・ガンズ
2026年のイギリス、フランス、ドイツ映画