画面の向こうの、

観終わったときに書くところ。ネタバレがあったりします。

「ノクターン」

うーん?
微妙に悪魔の設定が練り切れてない気がする

モイラは、優秀だとみんな認めるバイオリニストだったけど、自殺

その才は実は悪魔の力で…みたいな話ではないのか?
優秀だったことと、悪魔に魅入られた事は別?
または、モイラの思念が言わばあの呪いのノートを生み出した?

なぜどうもしっくりこないって、
ジュリエットは結局優秀と認められないまま、
聴衆にその演奏を聴かせないままだったから…
悪魔側の契約不履行じゃない?
まぁ悪魔なんてそんなものといえばそうかもしれないけど…

あっでもモイラも件の発表会の前に死んだのか
じゃあこういう非道い悪魔だったのかなあ。うーん。


全体的な映像が美しくて、こだわりが感じられる

音楽的トラウマがある人間なので、
映画セッションは昔を思い出してツラかったけど、
この映画は演奏シーンがそんなになく、
どちらかというと姉妹の亀裂、破滅への道って感じ

そしてその姉妹の亀裂感がなかなかリアルな気がする
姉のヴィヴィアンの方が優秀で、
それに対しての嫉妬心、野心が表面化していく様、
女っぽい陰湿なイタズラ、
でも「双子なんだから」と表面上は仲直り
その後も最悪なすれ違いでどんどん亀裂が広がり
それでも発表会には来てくれて、きちんと話してくれる姉
そのときの「私たちは失敗したのよ」
この台詞好き。創作的双子の愛憎縺れ。


悪魔の表現が光なのも独特?
鏡に映したノートの絵や文字が蠢くの好き。

「悪魔のトリル」は話題に出した割に
結局ぜんぜん絡んでこなかったわね
まぁ実在のモノはあんまり触れづらいか

どうでもいいけどこの父母なんなの。
実の娘たちが向き合っているクラッシック音楽をオワコンと言ったり。
このレベルのピアニスト2人がいる家で電子ピアノ?と思ったけど
そういう父母の歪み方を表しているのかもしれない


才能とは何か
名声とは何か
みんなが一番になれるわけではなく
それでも私たちは音楽をやめられず

まぁ、映画としてはふつー

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3.2/5.0
監督:ズー・クアーク
2020年のアメ映画映画