画面の向こうの、

観終わったときに書くところ。ネタバレがあったりします。

「memo」

難しい…映画だ…
コント映画とでも呼ぶべきなのかしら?
コント的な、多分、笑いの場面と、
シリアスな強迫性障害の場面とが、
絡み合いというか、ううん…複雑。

何より私は「笑い」がわからないんだよね。
多分、笑わせようとしてる…みたいな…

日本の映画は、意図せずシュールになってたり、
意図せず説明不足だったりするけど、
たぶん、このシュールさ、語らせ無さって、
計算尽くされた世界観なんだろうなぁ。
強迫性障害の場面だけを真剣にやると、暗くなるから
コントさを突っ込んできているような感じ。

「実体験をもとにしている」というのが、
まゆこの、メモをとるなのか、
おじさんの、手を洗ったりしゃべり続けたい方なのか、
あるいは両方なのかわからないけど、
当人のつらさ、というのがすごく表れてる
だけど、実際に口にだして「こう思ってる」とかは無い。
かつ、環境や過去に対しての説明も無い。
(カウンセリング?行けるなら先生にも相談したら?とか
 親は知ってるの?どう思ってるの?とかは野暮なんだと思う)
ただただ、「本人」にフォーカスが当たっている感じ。
クラスのイジメられっこですら最後には「本人」が出てきてた

ようは、めちゃくちゃ良い映画なんだと思う。
けど好きか?と聞かれると、前半はコント多めで結構苦痛…
だから感想は一行目にもどる。難しい映画だ…。

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3.2/5.0
監督:佐藤二朗
2008年の日本映画

「鳥」

これ…そんなに怖いか…?
いろいろなところで目にしていたから、
期待しすぎていたのかも。

そりゃあ、鳥は怖い。まして大群なら、
なにも持っていないと為す術はないでしょう。
でも、逆に言うと何かなくない?と思ってしまう…。
人間はとてもとても弱いけど、
だからこその強さがある。と思うんだけど…。

だいたい、前半の人間ドラマ部分長すぎない?
それが鳥の襲撃に絡むのかと思ったら、そうでもないし。

映像は、たしかにきれい。きれいというか、不思議?
どうやって撮ったのか…と思えるシーンが多いし、
常に画面映えし続ける主人公。美しい髪。
その美しい、きちっと整えられた髪が乱されるのは良い。

やはり、うまくいえないけど、こういう映画、は
現代の方がきっと映えるよなあ…
アホ映画にもなりかねないけど。
古くで、当時の技術で、やろうと思ったのは、
そして出来ていることはすごい。
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2.8/5.0
監督:アルフレッド・ヒッチコック
1963年のアメリカ映画

「キャロル」

なんかなぁ。

主演ふたりがとにかく美しくて、
どちらも、「そりゃあ惚れるわ」という魅力
それをふんだんに楽しめる映像で、
少し古い時代の衣装や小物が最大限引き出している

けどさ、けどさ、キャロル勝手すぎじゃない?
だめだわー私こういう恋愛モノ…
まぁテレーズが惹かれるのはまだわかるよ
若いゆえに、惹かれ、止められないというか。

キャロルは…なんなの?

子の親権を取られそう、争いが始まる、というときに
逃避行に出よう、それに愛しの女も誘っちゃおうって
まずそこから「はぁ?」って感じ。
まぁ結局は親権は譲って面会権にしてって感じだったけど
正直それも、面会権却下にされても何も言えなくない?
だって普通に不倫じゃない?

いや、わかるよ、そういう見方の映画ではないって。
ふたりの許されない恋というか、雰囲気映画というか、ねぇ。

「まだ同性愛が許されない時代の話」とか書いてる人いるけど
べつにこれそういう話じゃ無いからね。
むしろ時代にしては非難されなさすぎだと思う。

でも別に私が勝手に気にくわないだけで
ゆったりと、感じさせる演出、目線や表情の演技、
本当に良い映画だと思う。
アメリカ映画でこんな繊細さが出せるなんて、ってくらい。笑

恋愛じゃ無い映画、か、
もっとドロドロ一途な愛の映画がみたい…。笑

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3.9/5.0
監督:トッド・ヘインズ
2015年のアメリカ映画