画面の向こうの、

観終わったときに書くところ。ネタバレがあったりします。

「死霊館のシスター」

ダサすぎる日本語タイトルはどうにかならないのか。
原タイトルは「the nun」とシンプルなのに。

死霊館シリーズ…というか、ロレイン夫婦シリーズの
「エンフィールド事件」の前日譚
エンフィールド事件は若干夫婦愛を前面に出しすぎてたけど
悪魔ヴァラクの圧倒的な力、狡猾さは確かに面白くて。
そのルーツを探る、というだけで楽しみな映画。

肝心の中身は…まあ
スピンオフモノとしては上出来な気がする

ルーマニア、城跡の修道院、シスターたち、たくさんの墓標
という、満足な視覚的要素。

ただし、ホラーでは無い。冒険アクション映画。
ホラー映画の中でショットガンで対処するの初めて見た気がする。
死体が操られるのもどうかと…それじゃあゾンビよ
アイリーンが吹っ飛ばされたり、神父が閉じ込められたり、
ヴァラクがふつうに姿を現したり、というのは個人的には気にならないかな。
エンフィールド事件の時からヴァラクは激しかったし。

ただ話が…いささかありきたりすぎる
神父とダミアンの過去とか何も回収されないまま終わったし…
トラウマを抉られた神父の苦悩葛藤とかもさほど見えない。
何故水浸しなのかも謎。個人的には一番の謎。
あとアイリーンがつけられた印も特に活用されず。

でもまぁ、神父が一貫して悪魔払い師では無いこと…
だってダミアンの時も払えてないし今回も払えてない。
「悪魔払いには名前が必要」というシリーズのルールに沿わず、
名前のこたえも持っているのに使わない、使えない、
バチカンからの依頼も悪魔払いではなくあくまで調査だし、とか、
あとそれからヴァラクを弱体化して地獄の門は封じられたけど
フレンチに憑依していてちゃんとエンフィールド事件に繋がりそうなこと
あたりはとても好み。

死んだシスターたちと祈っていたシーンも好き。
シスターたちは死して尚祈り続けていると思うと泣ける。
そしてそれを知った上でのアイリーンの覚悟
シスター見習いからシスターになって、ようはパワーアップ
誓いを立ててなかったら、キリストの血も効かなかったかもしれない

こう書き出すとやっぱり
全体的には悪くなかった気もする。
まぁ平均的ホラー映画なのかも。

死霊館」を久々に見たいなぁ
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3.1/5.0
監督:コリン・ハーディ
2018年のアメリカ映画