画面の向こうの、

観終わったときに書くところ。ネタバレがあったりします。

「箪笥」

この映画のパッケージはなぜかすごく憶えていて
小学生の頃にレンタルビデオ店(最早死語?)でふと目について
あぁ気になる!と思ったものの、
当時の私は素直に「これが欲しい」と言えるタイプじゃなく
(こんなパッケージ誰でも言えない?)
他にもそんな映画はたくさんあるはずなのに、
これはとてもそのことを憶えている。
ちなみに白石監督の「ノロイ」も同じ系列かも。

なんか…少し惜しい気が。

早々に、あぁこれは姉のスミがおかしいパターンだわ、
スミが妹スヨンをいじめているのかしら、と思っていたら
まさかの「スヨンは死んだ」
えええ、あぁでも確かにスヨンと誰かが話してるシーンが無い…
父親の謎の言動も辻褄が合う…
だいたいこの父親はなんなの?こんなに色々ドタバタとしてるのに
この家そんなに広くて防音性が高いの?と思ってたら
あぁ、継母とスヨンとスミ、3人格なんて!

実母の首吊りを見てパニックなってる間に
その母が首を吊ってる箪笥が倒れてきて死ぬ、なんて
最悪の発想過ぎるわ。すごすぎる。
そしてそれを「後悔するわよ」なんて言葉で片付けて
黙って見過ごす継母よ。
これぞ韓国女の陰険さ?残酷さ?って感じがする…
でもその後わざわざ見舞いなんかに来るのは何故?とも思うけど…

そして、多分、あの家には本当に居るんだろうな
夢、人影、棚の下で叔母がみたもの…
そりゃああんな死に方を2人もしたなら居着くわ。

それなりにホラーもあり、話もきちんと作られているし、
映像も凝ってて美しく、音楽も良い、のに、何か足りない…
少しややこしすぎるのかなあ…いやでもこれが良さな気もするし…
これはもちろん敢えてそうしてるんだろうけど
全体的に、シーンとシーンのつながりが見えないのが難点
一つの起承転結があったら次のシーンの起承転結、というような
4コマ漫画みたいなつながりの無さを感じてしまう

っていうか、改めて考えても父親ひどすぎない?
姉妹の実母まだいるのに、妾を連れてきて、
精神を壊した娘に「そんな言動やめてくれ!」とかって…
あんな父親じゃあきっとよくならないわ…

教訓。
重い家具にはストッパーを。

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3.6/5.0
監督:キム・ウジン
2003年の韓国映画